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事業仕分けの効果
民主党政権が誕生して、日々新しい試みが試行錯誤されております。
その中で連日「事業仕分け」の様子がマスコミ・新聞紙上で報道されております。
バッサリと公共予算削除・予算計上見送り・廃止等されております。「事業仕分け」の最終結論は、実際には政治判断で決定されるとは思いますが、国民の視線には新鮮に映った事と感じます。
一部のマスコミの偏った報道が多々あったと感じますが、私は大きな効果があった事業だと思います。「過去の常識=現在の非常識」を理念に短時間では有りましたが、問題点もあぶり出されてと思います。
「官僚・公務員等はお金を使い切る事=良い事」・「民間人はお金を余らす事=良い事」 だと思います。まさに、異次元の人の位の感覚の差です。元になる資金=税金です、税金とは国民、民間企業が汗を流し、知恵を出して捻出した大切な「国民財産」です、それを今まではあたかも行政(外郭団体含む)所有財産のごとく、自由に配分して来ました。いわゆる、政界と官僚機構と一部の財界の法令では罰せられない犯罪だと思います。
問題として、予算削除・計上見送り・廃止された側が自助努力を行い、民間並の事業再構築に手をつけるか、駄々子のごとく官邸サイドにクレームをつけて、政治決着まで持ち込むかどうかです。
科学技術分野・医療分野・子育て支援分野、老年世代支援分野、どの分野であれ、個別に見れば必要な事業で有る事は国民は理解しております。今は過去に犯した「犯罪」(浪費)に対して、どう向き合い、反省と改善を行い、自分の財布からお金を支出する感覚まで持ち直せるかどうかです。
そして、真に必要な公共性・成長性の高い分野、守るべき分野の事業投資に対して、将来ビジョンを国民に示せるかどうかだと思います。いつの時代も改革には「苦痛」を伴うものだと思います、国民・民間企業は今から起こる本当の「苦痛」の前兆を感じつつ、新政権が示す新しい日本の方向性を待っていると思います。
(株)ステントス代表取締役 山本泰徳
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積算有料化にむけて
見積書=お客様に購入頂くための、売り側の意志の表現方法と思います。
車販売業、小売り業等各種の業界でも当然物販業であれば、見積書作成は販売側にすれば当然の行為であると思います。「定価」に対して「販売価格(値引き)」を検討すれば良い行為です。
建設業は違います。見積行為に対するかかる労力は相当なものです。なぜならば単品販売では無く、複合部分のトータルコストであり、「定価」が存在しない業界だからです。
鉄骨であれ、鉄筋であれ、積算作業は熟練社員の経験が必要です。
何故か躯体部の重要な積算作業を長年「ただ働き」させられております。
「積算」も立派な技術です。技術の世界でただ働きは言語道断の行為です。
建設会社も「無料」だから安易に各社に鉄骨見積もりを依頼して、一番数量の少ない項目と一番安い単価を組み合わせて、「世にも不思議な鉄骨見積書」が出来上がるわけです。ファブ側の背景には①積算する熟練社員の減少②未確定工事に労力を割くことへの抵抗
それらが原因で積算精度の劣化、数量のばらつきが発生して、「世にも不思議な鉄骨見積書」が出来上がる大きな原因であると思います。
これが「有料」となれば、当然依頼側も「考えて」見積もり及び積算を依頼しますし、依頼された側も真面目に積算・見積もりをする流れができると思います。
勇気をもって、ファブ業界として「積算の有料化」を推し進めるべきだと思います。はじめは抵抗があるでしょうが、我々専門業者が有料化を推進すれば、民間工事でも建設会社が事業主に対して見積書の有料化を進めると思います。
専門業者の技術・経験を軽んじる今の建設業界の風潮の中で、改善の第一歩として「積算=技術=お金に換算」する事を是非日本の建築業界で実現して欲しいと思います。
(株)ステントス代表取締役 山本泰徳
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専門知識習得に向けて
近年各分野で問題視されているのが、学校関係者内で年々増大するモンスターペアレントに代表されるいわゆる「クレイマー」であると思います。
自分に都合の良い解釈を行い、インターネット、雑誌等で入手した軽薄な知識を振り回し、専門家にクレームをつける、まさに素人の恐怖です。消費者保護・弱者救済・庶民感覚という、お題目に便乗して、やりたい放題、野放し状態が現実です。
それに便乗して火を焚きつけるマスコミ・司法世界・政治家も問題だと思います。
いつの時代でも市民は自分本位の考え方に陥りやすい、環境に流されやすいものです。
しかしながら、クレイマー現象の主な原因として、やはり専門家側の大幅な知識・経験不足又は、経験を積むことができない現在の仕事環境(即戦力扱いで、OJTの絶対的不足)問題も大きな一因だと思います。そして、何よりも自分の仕事・専門分野における誇りを持ったプロ意識の低下が最大の原因だと思います。
トラブル、訴訟を恐れるあまり、事なかれ衆主義が蔓延している現実をどう捕らえるか?どう解決していくか?
専門知識=実務経験からの積み上げで有り、長い年月をかけて身に付く物だと言う事を本当に企業も理解し、消費者も理解し合わないと、事なかれ主義からの脱却は永遠に難しくなります。現在の少子化社会の現象に対して、今までのような個々の家庭、個人に子育てをして頂くのでは無く、社会全体として育児の一部費用負担をして行く流れが出来つつあるように、医療世界であれ建設業界であれ、どんな業界であれ、高い専門知識が求められる業界に従事する人達には、社会全体として人材育成に取り組み必要があるし、知識習得の為の実務経験のチャンス・コストを社会として負担する流れを作る必要があると感じます。
行き過ぎたコスト至上主義は結果的に専門家育成の大きな弊害になっていると思います。今までのような市場への安易なお金のばらまき政策からの、真の専門知識の豊富な人材育成へ国家として取り組む事を期待したいと思います。
(株)ステントス代表取締役 山本泰徳