メインコンテンツにスキップする

information

事務局からのお知らせ

新年のごあいさつ 理事長 山本 泰徳

新年のごあいさつ(令和3年正月)

協同組合広島県鉄構工業会 理事長 山本泰徳

 

 新年明けましておめでとうございます。組合員の皆様におかれましては、年が改まり、今年こそはと、新たな希望と決意を胸に、新しい年を迎えられたことと思います。

 振り返れば、昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う経済縮小等による先行き不安が高まる中で、仕事量の確保と稼働率の維持に心を砕いた年であったと思います。

 当組合においても、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、恒例の組合行事をはじめ様々な活動について、中止や縮小を余儀なくされた年でした。

 

HPリニューアル

 そうした中で、当組合HPのリニューアルに取り組みました。

 リニューアルに当たっては、人材確保推進事業による整備後11年を経過した内容を一新し、急速に進展するIT化への対応を図り、特に、若者層へのアピール・情報発信に力を注ぐこととしました。

 具体的には、コンテンツの見直しとリニューアルは勿論、スマホ対応等、HPへのアクセス環境の改善等に取り組むとともに、若者層にアピールする新たな動画作成を当組合青年部にお願いしたところです。

 HPリニューアルは、コロナ禍の中にあっても、青年部員の積極的な活動により粛々と進み、組合員FABの若者が多数出演する動画も含め、2月中旬ごろには、完成して皆様にお目見えする予定となっていますので、楽しみにお待ちください。

 

全構協副会長への就任

 また、全く思いもかけぬことでしたが、私が全構協の副会長に就任いたしました。突然、米森会長から直接就任要請を受け、当組合及び全構協中国支部の新しい運営プランを検討中であった私としては、正直困惑するところもありましたが、これまで永年持ち続けてきた「わが業界の改革と更なる活性化を図る」という宿願への第一歩と捉え、全国のFABのために、力を尽くすこととしました。

 また、私の組合業務の負担軽減を図るため、副理事長4名体制を構築するなど、皆様から私に対する強く温かい支援に応えるためにも、できる限り頑張りたいと思います。

 

全構協での仕事と課題

 副会長就任から7か月、全構協三役としてこれまでになく多忙な日々を送っております。

 また、全国2,200の多様なFABの実態を踏まえ、業界全体の更なる活性化を図るために最も重要な、品質管理体制確保策を検討する品質管理委員会を委員長として主導することとなり、全構協HPのリニュアルなどの取り組みを行っていきます。

 今後、取り組みの詳細と成果等については、随時ご報告します。

 さて、品質管理に関しては、今、一つ重い課題があります。

 ご承知のとおり、わが業界は、GCや設計事務所等から確かな信頼を寄せられることが、その存在価値の上昇に直結します。ところが、いま、わが業界の根幹である工場認定制度に対する信頼感が揺らぎ始めており、放置すれば、我々全体への評価の低下につながりかねない事態が起きています。

考えてみれば、今の工場認定制度は、我々が苦労を重ねて国土交通大臣の認定制度を発足させて以来、20年を経過していますが、急速に変化する社会経済状況に対応する抜本的な改革は、為されているとは言えない状況です。

 また、その前提となる性能評価も、余程のことがない限り不適合となることはなく、グレード取得企業は年を追って増加しています。その裏返しとして、グレード企業間の技術力等の格差が外部から指摘され、工場認定制度に対する信頼低下と共に、新たなFABの評価方法の模索が始まっているという情報があります。

 その意味は、真に信頼できる技術を持つFABが求められているということであり、前向きに受止めれば、我々の将来にわたる存続と繁栄の道筋が示されたということも可能です。

 ただし、この問題は、全構協の基盤を揺るがすほど大きく重要なものですので、慎重に検討を進める必要があると考えます。

 

今後の鉄骨需要と鉄骨価格維持

 鉄骨需要については、2018年度まで5年連続で500万トン台の需要が確保された好況期の後、2019年度には高力ボルト問題等から陰りが生じて458万トンに減少し、2020年度には、コロナ禍等により、現在のまま推移すれば400万トン割込みが予想され、経営環境の悪化がひしひしと感じられます。

 しかしながら、忘れてはならないことがあります。

 コロナ禍による悲惨な経済状況にあって、当業界が最も打撃を被っていない業界の一つであることです。

現に皆様方から寄せられる工場状況報告でも、最盛の繁忙期には劣るものの、ほぼ80~90%程度の稼働率が維持されており、手持ち仕事量も、先細りは続くものの、概ね当面確保されています。

 こうした恵まれた環境に加え、これまで幾多の苦境を乗り越えてきた我々の強さについても、もう一度再認識していただきたいと思います。

 しかし一方で、多くのFABが、先が見通せない不安を抱えていることもまた事実です。今年は、首都圏等の大型物件の復活により期待される鉄骨需要の回復期が年度後半以降になるのではとの予測もあり、確実に到来する回復期まで、どれだけ我慢できるかが大きな分岐点となります。

組合活動で築いた絆により、仲間同士で仕事のシェアを図ることや、かつてないほど拡充された新形コロナ関連の事業者支援制度を活用するなど、多様な選択肢を視野に入れ、慌てず落着いた対応が求められます。その中でも特に、鉄骨価格の低下防止こそが今一番取り組むべき課題だと思います。

 現に、大手GCが実績確保のため、これまでの慣例を破り中小物件に手を伸ばしてきたことから、GC間の競争が激化し、鉄骨価格低下の大きな圧力が生じています。

 このような原因で我々の貴重な利益を削る、不当な圧力は、断固排除せねばなりません。

 これに対処する唯一無二の方法は、厳しくても一致団結して、自社の確かな原価管理に基づき、不採算とならぬよう選択受注を徹底して行うことです。

 みんなが足並みを揃えることで「安値物件が一巡して適正価格で戻ってくる」ことを実現しようではありませんか。

 全構協も、全国の組合に対して原価管理の徹底策の実施を要請しており、当組合も、現在準備を進めております。GCの動きに惑わされず、我々の技術の価値を信じて行動しましょう。

 

働き方改革

 働き方改革については、関連法が4月以降、中小企業にも例外なく適用され、時間外労働の罰則付き上限規制や年休5日以上の取得義務化などが義務化され、FABの勤務労働条件にも変化が生じて、いろいろとご苦労が多いことと思います。

 しかし、こうした取組みは、業界の人材確保のために引続き必要であることに変わりはありません。

 したがって、働き方改革に不可欠な労働単価の押し上げに対応する資金確保のためにも、利益のある受注を継続する努力を怠ってはならないと思います。

 

共済事業の充実

 共済事業に関しましては、メーカー、販売店、組合員の3社が一体となった取組みが事業を拡大、活発化させるものだと考えます。そうした思いから、私は指定塗料の販売店に対し、拡販への努力を機会あるごとに要請し、販売店も真剣に取り組み、厳しい環境下ではありますが、成果も出てきています。

 また、フルサト工業の裏当て金、旭サナックのエアラップ静電ハンドガンを、新たに共済商品化するなど、共済事業の拡充を図り、共済手数料の増収をめざします。

 今後も引続き、組合員がメリットを享受でき、同時に組合財政を豊かにする共済事業の拡充を図っていきたいと思います。

 

安全対策の更なる充実

 最後になりましたが、安全は何物にも代えがたいものです。

 どんなに小さな怪我でも、従業員の生活と鉄骨の製作工程への影響は決して小さくありません。日常的な事故防止・安全確保の努力、対策こそ、最も有効な作業効率の向上対策と考えて日々励行していただきたいと思います。

 人命と財産を守る鉄骨の社会的使命は永久不変です。令和3年が、私たちが誇りを持ってその社会的使命を健全な形で全うできる年になることを確信しております。

 また、組合員の皆さまにとりまして良い年になるよう、心から祈念申し上げます。